東洋医学では、身体のバランスを「氣」「血」「水」に分けて考えます。
この3つのバランスが保たれている状態が健康な状態であると考えます。
「氣」「血」「水」のバランスが崩れた状態により、治療(療法)する方法が定められていて、
体中にある361個のツボの中から、200以上のツボを症状によって使い分けています。
全身には、経絡という臓腑別に分かれたルートに沿って経穴(ツボ)が配置されていて、症状に効果があるツボに鍼や灸を行い、症状を緩和させていきます。
鍼灸治療でツボを刺激すると刺激が経絡に伝わり、経絡に滞っていたものが流れ(動き)出し症状を改善してくれます。日常的にセルフケアを行うことにより、経絡の滞りを改善することで病気の予防にも効果があります。
でも・・・ツボや経絡とかって聞くと、本当に効果があるの?
と思ってしまいますよね。
正直、私自身も鍼灸師の資格を取得する以前(理学療法士として働いていた時)は、
東洋医学ってなんとなく怪しい・・・ツボとかって本当に効果あるの?
と思っていました。
ですが、鍼灸の勉強を始めて、西洋医学が入ってくるまでは漢方が日本の医学だったと知りました。鍼灸は中国から伝わり、日本独自の進化を遂げて現代にまで続いています。本当に効果がなかったら、どこかで淘汰されています。何千年の歴史からなる立派な統計学的な医学なのです。
理学療法士の時には「ここの筋緊張が取れれば、もっと動きが良くなるのに・・・」と感じておりました。しかし、鍼灸施術をするようになってからはそのような問題が鍼灸によって解決することも多く、更に、鍼灸とリハビリテーションの相乗効果に驚くことが多いです。
少し話が横道にそれてしまいましたが、東洋医学では、「氣」「血」「水」のバランス状態や体質を「証」という言い方で分類しています。「証」は問診・脈診・触診などから導き出され、「証」に基づいて治療(療法)の方針を決めていきます。
「氣」「血」「水」のバランスが崩れた際に、比較的良くみられる6つの「証」を紹介します。
自身の体質はどの「証」に当てはまるか、☑チェックしてみてください
- 「気虚/ききょ」・・・気が不足している状態。「体調を崩しやすい・無気力・疲労感・だるさ・食欲不振」など
□疲れやすい □肌にハリがなく、たるみが気になる □風邪をひきやすい □朝の目覚めが悪い □声が小さい
- 「気滞/きたい」・・・気が滞りやすい状態。「体調を崩しやすい・むくみ・めまい・頭痛・下痢・排尿障害」など
□ニキビや吹き出物ができやすい □顔がほてる □怒りっぽい □ため息を良くつく
□食事や睡眠時間が不規則
- 「血虚/けっきょ」・・・血が不足している状態。「貧血・皮膚の乾燥・血行不良・脱毛」など
□むくみやすい □心配性 □毛穴が目立つ □爪が弱く割れやすい □雨の日には気分が下がる
- 「瘀血/おけつ」・・・血の流れが滞っている状態。「冷え・便秘・肩こり・お腹の圧痛・生理不順・色素沈着」など
□首肩こり □手足が冷える □シミそばかすが多い □顔色がくすんでいる □物忘れが多い
- 「陰虚/いんきょ」・・・水が不足している状態。「のぼせ・ほてり・熱感・不眠・顔面紅潮・口渇寝汗・耳鳴り」など
□肌や髪の乾燥 □目の乾き、落ちくぼんでいる □便秘がちで、便がかたい □声がかれ、空咳がでる □のどが渇き、冷たい飲料水を好む
- 「水滞/すいたい」・・・水の流れが滞った状態。「むくみ・めまい・頭痛・下痢・排尿障害」など
□むくみやすい □トイレの回数が多い □毛穴が目立つ □手のひらが湿っぽい □雨の日は気分が下がる
自分自身の体質や傾向を知ることで、普段気を付けた方が良いことなどがわかり、セルフケアに役立てることができ「未病」を防ぐことができます。
セルフケアによるツボ刺激については、簡単なツボ押しや、市販のお灸などでケアする方法があります。
セルフケアに効果的なツボなどについては、別のブログでご紹介させていただきたいと思います。
セルフケアの事や、ご自身の体質のことなどなんでも結構です、お気軽にご相談ください。
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