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脳梗塞後遺症に対する鍼の効果とは?

最近、保険外施術(自費)による片麻痺などの脳梗塞後遺症に対して、鍼灸治療とリハビリテーション施術を併用する施術所や治療施設が増えてきています。

鍼灸とリハビリテーションの併用は保険制度の関係で病院などの施設では難しいのが現状です。そのため保険外治療(自費)という形でサービスを提供しているのが現状で、当施術所もこのようなサービスを提供しています。

ではなぜ鍼灸治療が片麻痺などの脳梗塞後遺症に良い結果をもたらすのか?

そもそも鍼灸治療ってどんな効果があるの?

全身にあるツボや筋肉の硬くなったところなどに髪の毛ほどの細い鍼を打ったり、灸をすることで筋肉や組織に極微細な損傷を与え、損傷されたところを修復するよう脳に対して働きかけ免疫系などを活性化させます。また、痛みなどにより過剰に興奮している感覚神経などに対して、興奮を鎮めるようなホルモンなどの分泌を促したり、自律神経を整えたりします。

このような作用により

  1. 血液の流れをよくする(血行促進作用)
  2. 筋肉の緊張を和らげる(筋緊張緩和作用)
  3. 痛みをおさえる(鎮痛作用)
  4. 病気への抵抗力を高める(免疫力の活性化作用)
  5. 自律神経などを整える(生体機能調整作用)

などの治療効果が期待できます。

脳神経細胞の損傷によりコントロールが難しくなった筋肉などは、過剰な力が入ったり、逆に全然力が入らなかったりと多彩な症状を呈します。どちらも損傷された脳領域周辺からの指令が運動神経に対してうまく伝わらなくなっている状態です。

残念ながら脳血管障害などにより損傷された脳神経細胞が再生することは難しいです。しかし最近の脳科学の研究において、リハビリテーションによって損傷した脳領域周辺の細胞などに新たな神経回路ができることが明らかになってきています。これが「脳の可塑性」と言われるものです。脳は新たな学習や経験を重ねることで、脳細胞のシナプス結合に変化が起こり、記憶力や学習能力、運動機能などに変化が現れるということが確認されています。たとえば、脳梗塞などによって指を動かす神経細胞が損傷されても、リハビリなどの訓練によって通常は手首を動かす指令を出す神経細胞が、指を動かす指令を発することができるようになり、他の神経細胞が別の役割を補うようになります。このように脳は損層を受けても回復する力を持っています。ですから適切なリハビリテーションによって機能を回復することが可能になるのです。鍼灸治療とリハビリテーションを併用することの利点は、脳梗塞後遺症などにより脳からの指令がうまく伝わらず、硬くなった筋肉や力が入らなくなった筋肉、情報がうまく伝わらなくなった感覚神経などに対して鍼灸特有の治療効果を図り、リハビリテーションの効果が最大限に発揮できるような体作りを目指します。双方の治療・施術による相乗効果によって「脳の可塑性」を最大限発揮できるような体を目指すのが、当院の脳梗塞リハビリテーションプログラムです。

治療の効果には個人差があります。また、早期から治療を併用することで治療効果に差が出ることも確認されています。

当院のモットー「自分の身体は、自分で守る」

門田智憲

一日でも早い治療をお勧めするとともに、ご自身の身体がどの程度まで回復する可能性があるのかだけでもお話しできればと思います。
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