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顔面神経麻痺(Bell麻痺について)

  

顔面神経麻痺(今回はBell麻痺について)

みなさんは、顔面神経麻痺という病気を耳にしたことがございますか?

最近では、2022年6月に人気歌手のジャスティン・ビー〇ーさんが、自身のインスタグラムに罹患(ハント症候群)されたことを投稿され話題になっていました。その他にも有名人の方などが罹患され、ニュースで病名を聞くことも多いと思います。顔面神経麻痺はいつでも、だれにでも起こりうる病気です。今回は、是非みなさまにもこの病気への正しい理解を深めて頂けたらと思い、簡単ですがお話しさせていただきます。

  • 顔面神経麻痺には中枢性麻痺末梢性麻痺の2種類の麻痺があります。
  • 中枢性顔面神経麻痺の主な原因としては、脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血などの脳血管障害や、脳腫瘍など脳実質の病変が原因で発症します。
  • 顔面神経麻痺の内の大部分(全体の90%以上)を占める末梢性顔面神経麻痺は、主にBell麻痺と言われるもので、ヘルペスウイルスが体の抵抗力が低下したときに活発に活動し麻痺を引き起こします。
  • 次に多いのが、ラムゼイ・ハント症候群と言われる、帯状疱疹ウイルスが原因の麻痺です。顔面神経麻痺のほかに、内耳神経が障害を受けるため、難聴やめまいを同時に引き起こすことがあります。
  • その他稀(全体の10%未満)ですが、中耳炎や耳下腺がんなどが原因になることもあります。
出典:一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会ホームページ

少しだけ細かく・・・

第7脳神経である顔面神経は、顔面の運動神経以外に涙腺、顎下腺、舌下腺の分泌副交感神経と、軟口蓋、舌前2/3の味覚を感知する味覚神経が混ざった混合神経です。顔面神経は顔面神経管のなかで、多くの神経線維が密集して走行しているため、高度の障害を受けると、神経再生の段階で隣の神経線維と過誤支配を引き起こしやすい特徴があります。その結果、口輪筋を動かす神経線維と眼輪筋を動かす神経線維との間に過誤支配が生じ、口運動と同時に閉眼が起こり、閉眼と同時に口運動がおこる病的共同運動が生じてしまいます。顔面上部の運動は脳からの両側性支配を受けており、脳の病変で起きる中枢性麻痺では顔面下方の障害はあるが、顔面上部の運動が保たれるため額のしわ寄せなどが可能となります。脳よりも末梢の末梢性麻痺では、障害された側の顔面全体が動かなくなります。

一番多い、Bell麻痺とは? 

イギリスの外科医Sir Charles Bellが、1830年に脳障害によらない末梢性顔面神経麻痺を報告し、1940年頃から原因不明の突発性顔面神経麻痺をBell麻痺というようになりました。その後の研究で、顔面神経膝神経節に単純ヘルペスウイルスⅠ型(HSV-1)が潜伏していることが明らかになりBell麻痺における単純ヘルペスの関与が直接的に示されました。疲労、ストレス、風邪、寒冷暴露、さまざまな基礎疾患などの誘因が影響して膝神経節に潜伏していた単純ヘルペスが再活性化され顔面神経の炎症や浮腫が引き起こされ、顔面神経管内で絞扼・虚血が生じ、顔面神経の障害や麻痺が引き起こされると考えられています。

何科を受診するの? 治療は?

急性期に耳鼻咽喉科を受診して、膝神経節で起こっているウイルスの再活性化を抑制するために抗ウイルス薬と、神経炎と浮腫を抑えるためのステロイド剤が投与されます。骨製の顔面神経管内での絞扼が高度な場合には顔面神経減荷術などを行います。その他、陳旧性顔面神経麻痺に対する形成術などがあります。

その他には、病的共同運動の軽減や後遺症の予防を目的としたリハビリテーション・鍼灸治療などがあります。

リハビリテーションはどんなことをするの?

リハビリテーションでは、麻痺の改善と病的共同運動の予防・軽減を目的としたリハビリテーションを実施します。    リハビリテーションを開始する前には、重症度診断や治療効果判定などを行うために顔面神経麻痺の程度を評価します。  いくつかの評価法がありますが、今回は『柳原法』と呼ばれる評価法をご紹介します。

顔面表情運動を安静時の対称性と9つの運動機能に区分して、0~正常40点で顔面を部位別に評価する評価法で、発症1週間以内の柳原法スコアが顔面神経麻痺の予後と相関する評価法です。

      

〇 リハビリテーションの内容

角膜保護(点眼薬・眼帯・眼鏡などを使用)

・表情筋ストレッチとマッサージ(拘縮予防)

・バイオフィードバック療法(視覚・触覚・筋電図など)

・拮抗運動指導(開瞼運動)

・日常生活指導

など、発症早期から開始するものや、病的共同運動の出現に合わせて実施していきます。

〇 リハビリテーションの意義

顔面神経麻痺後遺症の出現は発症早期の神経障害程度で予後が決まってきます。高度な神経障害であれば病的共同運動や顔面筋の拘縮など後遺症が必発します。発症早期では後遺症の出現を予防することや、後遺症の程度を軽減させる目的があります。後遺症が出現してしまった場合は、病的共同運動の抑制、顔面筋の拘縮を軽減する目的があります。一旦出現した後遺症を完全に治癒させることは困難なことではありますが、後遺症の程度を軽減させることは可能ですので、適切なリハビリテーションを実施することが大切です。

〇 鍼灸治療はどんなことをするの?

急性期では医療機関などでの薬物療法と併せて、週1~2回、顔面神経やその周辺組織への血流改善や組織修復などを目的とした鍼治療を行います。発症より半年までは週1~2回、半年~1年は1~2週間に1回を目安に治療を継続していきます。Bell麻痺に関しては1ヶ月程度で症状が改善するケースが多くみられます。また、治療継続にて症状の変化が見られなくなった場合や、正常範囲程度まで改善した場合は、鍼灸治療は終了となります。

今回は顔面神経麻痺のBell麻痺についてご紹介しました。同じ末梢性顔面神経麻痺にHunt症候群というものもありますので、Hunt症候群についてはまた改めて紹介させて頂きます。

顔面神経麻痺は、突然顔の筋肉が動かなくなってしまい、日常生活にも心理的にも大きな問題が出現します。医師の治療と併せた、リハビリテーションや鍼灸治療を行うことで症状の改善や後遺症の軽減を図ることが可能です。

日本顔面神経学会では顔面神経麻痺診療の専門性を向上させ、顔面神経麻痺患者に良質な医療と医療機関の選択などの情報提供などを目的として、第11回技術講習会より認定制度を開始しております。当院のセラピストは、理学療法士及び鍼灸師として顔面神経学会における顔面神経麻痺リハビリテーション技術講習会認定試験に合格したセラピストです。

急性期から陳旧性の症状まで、患者様の状態に合わせた鍼灸治療とリハビリテーションを提供いたします。

お気軽にご相談ください。

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